事業承継促進枠は、親族内・従業員承継などを予定する後継者が、生産性の向上に取り組む設備投資等を支援する制度です。設備の用途に加え、承継の予定日と後継者の要件を確認します。[2]

先に整理したいのは、補助額ではなく、引継ぎ後の仕事です。誰のどの作業を変えるために、何を導入するのか。この説明ができると、対象経費の確認も、事業計画づくりも進めやすくなります。

この記事の要点

  • 親族内・従業員承継を予定する後継者の投資を検討する枠です。承継の予定日と本人の要件を先に確認します。
  • 特定業務用ソフトウェアが対象になり得ても、一般事務用のソフトや端末まで一括で対象とはいえません。
  • 採択と交付決定は別です。事業承継促進枠では、交付決定前の発注を避ける必要があります。
制度情報の確認日:2026.09.26

2026年9月26日確認。16次公募要領は公開済み。公募申請は2026年10月2日〜11月6日17:00の受付予定で、確認時点では受付前です。

16次公募は10月2日から受付予定

2026年9月26日時点で、16次公募の要領は公開済みです。公募申請の受付期間は2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17:00。本記事の確認時点では受付前です。採択は2026年12月下旬以降、交付決定は2027年1月下旬以降の予定とされています。[1]

すぐに設備を発注する必要がある場合、この日程が自社の投資に合うかを先に確認します。補助金を待つことで、必要な改善まで遅れてしまわないかも判断したいところです。

承継の方法・予定日・後継者の要件を確認する

この記事では、親族内・従業員承継に伴う設備投資を扱います。事業承継促進枠は、引き継ぐ予定の経営資源を活用し、後継者が中心となって生産性向上に取り組むための支援です。[2]

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設備を選ぶ前に確認する承継の条件
確認項目16次公募で確認すること社内で整理する情報
承継の方法親族内・従業員承継等の予定があるか。現経営者と後継者、引き継ぐ事業の内容
承継の予定日2026年11月6日〜2031年11月5日の対象期間内か。代表交代と所有権移転の予定
後継者の要件役員・従業員としての経験、親族関係等の条件を満たすか。対象会社での経歴、現在の役割、代表経験の有無

これは確認の入口であり、申請条件のすべてではありません。後継者の経歴や会社の状況を、公募要領の対象者・対象事業の条件と照らし合わせます。[2]

また、すでに承継を終えた会社が広く使える制度ではありません。16次公募では、公募申請期日より前に行った承継は対象外です。代表交代が済んでいる場合は、その日付を確認してから、投資内容に合う別の制度も検討します。[4]

設備の更新と代表交代は、同じ日に行う必要があるわけではありません。承継日と設備投資の予定を整理する記事も参考に、申請・承継・発注の予定を分けて考えてみてください。

設備・ITの見積は、用途ごとに分けて確認する

事業承継促進枠では、機械装置などに加え、補助対象の取り組みだけに使う特定業務用ソフトウェアが設備費の対象として示されています。一方、一般事務用ソフトウェアやライセンスは対象外です。汎用的なパソコンやタブレットも、対象外経費の例に挙げられています。設備費には、品目1件につき税抜20万円以上という条件もあります。[2]

例えば受発注システムなら、受注入力、在庫確認、出荷指示のうち、どの作業を変えるのかを説明します。見積書も「システム一式」だけで済ませず、機能、設定、利用期間などを確かめておくと、対象となる部分を検討しやすくなります。

「AIが入っている」という理由だけで補助対象にはできません。自社に必要な機能と、制度上の対象経費をそれぞれ確認します。

補助額だけでなく、支払いまでの資金を見積もる

事業承継促進枠の補助上限額は800万円で、所定の賃上げ要件を満たす場合は1,000万円です。補助率は原則1/2以内、小規模事業者等は2/3以内。ただし、800万円を超える部分は1/2以内です。補助下限額は100万円とされています。[3][2]

資金計画は「導入費用から補助金を引いた額」だけでは足りません。補助金は事業完了後の精算払いなので、設備代などの支払いに必要な資金を先に用意します。消費税や対象外経費、導入後の保守費用も分けて確認します。[2]

また、同枠では採択通知だけで発注できるわけではありません。交付決定後に契約・発注し、補助事業期間内に納品・検収と支払いを終える順序が必要です。納期が長い設備は、申請準備の段階でメーカーに確認しておきます。[4]

相談前に、この5点を一枚にまとめる

まだ詳細な計画書を作る必要はありません。次の項目を箇条書きにすると、制度の確認と業務改善の検討を同時に進められます。

  1. 承継の方法、現経営者と後継者、予定日
  2. いま時間がかかっている作業と、その担当者
  3. 導入したい設備・システムと概算費用
  4. 発注、納品、稼働を希望する時期
  5. 支払いに使う自己資金・借入と、社内の運用担当者

例えば「在庫管理をDX化する」より、「店舗からの在庫確認に本部が毎回答えているので、双方が同じ数量を確認できるようにする」の方が、必要な機能を絞れます。ここから投資額と工程を具体化し、自社の予定に合う制度かを確認していきます。

よくある質問

すでに親から会社を引き継いでいても、事業承継促進枠を使えますか?

16次公募では、公募申請期日より前に行った承継は対象外です。承継済みの場合は、実施時期と投資内容を整理し、別の制度も含めて確認します。[4]

AIシステムを入れれば補助対象になりますか?

AIの有無だけでは決まりません。対象事業での用途、経費の区分、契約・支払いの時期などを確認します。事業承継促進枠では、特定業務用ソフトウェアと一般事務用ソフトウェアの扱いも異なります。[2]

採択されてからメーカーに発注すれば間に合いますか?

事業承継促進枠では、採択後に交付申請を行い、交付決定を受けてから契約・発注します。納品と支払いも補助事業期間内に収める必要があります。[4]

出典・公式資料

制度の条件は公募回ごとに変わります。申請・契約前には、利用する公募回の要領を確認してください。

  1. 事務局|16次公募スケジュール確認日:2026-09-26
  2. 事業承継促進枠|16次公募要領 Ver.1.0(対象期間・補助対象経費・補助額)確認日:2026-09-26
  3. 事業承継促進枠|16次公募チラシ確認日:2026-09-26
  4. 事業承継促進枠|16次公募のよくある質問確認日:2026-09-26
KMST

株式会社KMST 編集部

補助金支援・AI研修・AI/IT導入を行うKMSTが、制度の条件と導入前に整理したい実務上の論点をお伝えします。

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