親族や従業員への承継を予定し、設備投資も進めたい場合は、事業承継促進枠を検討できます。ただし「いつ会社を引き継ぐか」と「いつ設備を発注するか」は別々に確認する必要があります。承継を先に終えると、対象期間の条件を満たさなくなる場合もあります。[2]
補助金のために承継日を無理に動かすのではなく、会社として必要な引継ぎと投資の順序を決める。そのうえで、公募の条件に合うかを照らし合わせます。
この記事の要点
- 16次公募の事業承継対象期間は2026年11月6日〜2031年11月5日です。
- 承継に使える5年間と、設備投資を行う補助事業期間は別です。
- 後継者が変えたい業務、投資時期、運用担当者、資金の準備を一緒に整理します。
2026年9月26日確認。16次公募要領は公開済みで、申請受付は2026年10月2日〜11月6日17:00の予定。本文は16次公募の条件で整理しています。
申請・承継・設備投資の3つの日程を分ける
2026年9月26日時点で、16次公募は要領公開済み・申請受付前です。受付期間は2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17:00の予定です。[1]
表は横にスクロールできます →
| 確認する日程 | 16次公募の内容 | 自社で書き出すこと |
|---|---|---|
| 公募申請 | 2026年10月2日〜11月6日17:00 | 社内の確認日、書類の準備日 |
| 事業承継 | 2026年11月6日〜2031年11月5日 | 代表交代や所有権移転の予定 |
| 補助対象の設備投資 | 交付決定後から補助事業期間内 | 発注、納品・検収、支払いの予定 |
承継対象期間は公募要領、投資の手続きは公式FAQで確認できます。5年かけて承継できることと、5年後まで設備を購入できることは同じではありません。[2][3]
設備の更新が先で、代表交代はその後という計画も、制度要件に合うかを検討できます。取引先への引継ぎや後継者の準備に必要な期間も含め、予定を一本の年表にしてみてください。
後継者と、実際に引き継ぐ内容を確認する
事業承継促進枠は、後継者が中心となって生産性向上に取り組む制度です。法人の後継者には、対象会社の役員・従業員としての一定の経験、または現経営者の親族で対象会社の代表経験がないことなどの要件があります。親族か従業員かだけで判断せず、本人の経歴を確認します。[2]
法人では、代表者名を変更するだけでなく、株式取得などによる所有権の移転を含む実質的な承継が必要です。代表交代日と株式の移転予定は、分けて整理してください。[3]
あわせて、取引先との関係、見積の判断、品質管理、資金繰りなど、いま誰が決めているかを書き出します。肩書きが変わった後も前経営者に確認が集中しそうな仕事は、早めに引継ぎ方法を考えておきます。
設備名より先に、後継者が変えたい仕事を書く
「新しい機械を買う」「受発注をデジタル化する」だけでは、投資の必要性を説明しきれません。後継者が引き継いだ後、どの仕事をどう変えたいかを具体化します。社内で話す際は、次の順番が使いやすくなります。
- 現状:誰が、どの作業に、どれくらい時間を使っているか
- 原因:設備の制約、転記、確認待ちなど、何が負担になっているか
- 投資:その原因を減らすために、何を導入するか
- 運用:導入後は誰が使い、例外やトラブルを誰が判断するか
- 効果:作業時間、処理件数、粗利益など、何を記録して確かめるか
例えば、前経営者だけが知っている見積の判断を引き継ぐなら、システム導入の前に、過去の見積と判断基準を整理します。入力画面だけ作っても、価格を決める材料が残らなければ引継ぎは進みません。
AIの活用を考える場合も、任せる作業と人が確かめる部分を先に決めます。申請書に新しい言葉を増やすより、毎日の仕事がどう変わるかを説明できる計画にします。
制度上も、5年間の事業計画で、付加価値額または1人当たりの付加価値額を年3%向上させる計画が求められます。売上だけを大きく置かず、投資によって処理件数や利益がどう変わるか、計算の根拠を用意します。[3]
見積・納期・資金をそろえてから、申請の準備へ
投資内容が見えたら、候補の設備やシステムについて、仕様、価格、納期を確認します。補助事業期間に納品や支払いが収まるか、導入中に業務を止める必要があるかも見ておきます。
事業承継促進枠では、交付決定前に契約・発注した経費は対象になりません。見積取得と正式発注を分け、社内の担当者や発注先にも予定を共有しておきます。[3]
資金の表には、設備代、消費税、対象外の費用、導入後の維持費を記載します。補助金を受け取る前の支払資金も必要なので、借入が必要なら金融機関との相談時期も決めます。補助金の入金だけを当てにして、発注日を決めないようにします。[2]
承継の時期に担当者が変わっても困らないよう、見積、契約、納品、支払いの記録を誰が保存するかまで決めておくと、実施後の報告にも対応しやすくなります。
最初の相談には、完成した計画書は不要
まず、現経営者と後継者の間で、承継の予定と投資の目的を共有します。内容が固まり切っていなくても、未定の項目を区別して書けば、次に何を決めるかが見えてきます。
- 現経営者・後継者と、それぞれが担当している仕事
- 代表交代や株式移転を予定している時期
- 改善したい仕事と、導入候補の設備・システム
- 概算予算、資金の見込み、稼働させたい時期
- 社内担当者、金融機関や税理士などの相談先
申請にはGビズIDプライムや、認定経営革新等支援機関の確認書などの準備が必要です。制度の確認は、締切直前まで待たずに進めます。[2]
設備・IT投資の対象経費や発注前の確認点は、事業承継促進枠の設備・IT投資に関する記事でも整理しています。
よくある質問
代表者交代は、設備を導入する前に済ませる必要がありますか?
必ず先に終える必要はありません。事業承継促進枠は承継予定者を中心とした取り組みを支援します。承継対象期間と、交付決定後の補助事業期間の双方に合う計画かを確認します。[2]
親族ではない従業員が後継者でも対象になりますか?
従業員承継も対象となり得ます。対象会社での勤務や役員経験など、後継者の要件があります。雇用期間や経歴を整理して、公募要領と照合してください。[2]
補助金に合わせて承継日を変更した方がよいですか?
制度だけを理由に日程を決めるのは勧めません。取引先対応、後継者の準備、株式や資金の整理に必要な時間を考え、会社として無理のない予定を優先します。その予定で使える制度を確認する順序が適切です。
出典・公式資料
制度の条件は公募回ごとに変わります。申請・契約前には、利用する公募回の要領を確認してください。
- 事務局|16次公募スケジュール確認日:2026-09-26
- 事業承継促進枠|16次公募要領 Ver.1.0(承継対象期間・後継者要件・申請手続き)確認日:2026-09-26
- 事業承継促進枠|16次公募のよくある質問(承継の要件・対象経費)確認日:2026-09-26
承継と設備投資の予定を整理する
後継者が変えたい仕事、承継予定時期、導入候補をお知らせください。制度の条件と自社の予定を照らし合わせ、必要な準備を整理します。
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