AIを使う取り組みなら、何でも対象になるわけではありません。デジタル化・AI導入補助金2026では、制度に登録されたITツールと、その導入に必要な経費が判断の出発点です。
特に分けて考えたいのが、ツールの購入、使い方を学ぶ研修、自社専用アプリの開発です。同じ『AI導入』でも、補助金上の扱いは異なります。この記事では通常枠を中心に、見積もりを依頼する前の確認点をまとめます。
この記事の要点
- 対象かどうかは、AI搭載の有無だけでなく、ITツール登録と申請枠の要件で確認します。
- 登録ツールの導入研修と、AI全般を学ぶ独立した研修は、同じ扱いにできません。
- 先に減らしたい作業を決め、既存ツール・研修・個別開発の費用を分けて検討します。
2026年9月26日確認:通常枠5次締切は2026年9月29日17:00、交付決定は11月9日予定。以降の日程は公式ページで確認してください。
対象になるのは、制度に登録されたITツールです
正式名称は『デジタル化・AI導入補助金2026』です。中小企業・小規模事業者等によるITツール導入を支援する制度で、通常枠ではソフトウェアの購入費やクラウド利用料などが対象になります。クラウド利用料は最大2年分です。[1]
製品にAI機能があることと、補助対象であることは別です。IT導入支援事業者がツールを登録し、承認を受けている必要があります。生成AIを搭載する製品も登録できますが、登録されていないツールでは申請できません。[2]
通常枠は、対象となる業務プロセスを一つ以上備えたソフトウェアが必要です。汎用の自動化・分析ツールだけでは申請できません。製品名だけで判断せず、どの業務に対応する登録なのかも確認しましょう。[1]
ツール・研修・個別開発を分けて確認します
表は横にスクロールできます →
| やりたいこと | 確認すること |
|---|---|
| 既存のAI・業務ツールを導入する | 製品と提供事業者の登録、業務プロセス、対象となるプラン・利用期間を確認します。 |
| 導入するツールの操作を習う | その登録ソフトウェアに対応する導入研修として、登録内容と実施期間を確認します。 |
| AIの基礎や業務への応用を広く学ぶ | 独立した研修を、登録ツールの導入研修として一律には扱えません。 |
| 自社専用アプリを一から作る | 個別開発費がそのまま本制度の対象になるとは考えず、開発範囲を切り分けます。 |
導入研修は、登録されたソフトウェアに対応する役務です。対象ソフトを導入することや、役務の実施期間などに条件があります。研修という名称だけで対象可否は決まりません。[3]
また、登録要領では、未完成でスクラッチ開発を伴うソフトウェアや、特定顧客向けに限定され一般販売されていないものなどは登録対象外です。一方、登録ソフトウェアの導入に伴う設定・カスタマイズには、役務としての扱いがあります。開発や設定をまとめて『AI導入一式』とせず、内容を分けて確認する必要があります。[3]
最初に決めるのは、減らしたい作業です
KMSTでは、制度を選ぶ前に、今の仕事のどこに手間がかかっているかを整理することを勧めています。『AIを入れたい』だけでは、必要な機能も受講内容も決めにくいためです。
例えば、シフト調整を改善するなら、希望日の回収、一覧への転記、不足時間帯の確認、本人への連絡を分けます。既存のシフト管理ツールで済む部分と、自社の勤務ルールに合わせる部分では、必要な作業が変わります。これは検討方法の例であり、特定製品や取り組みの補助対象を示すものではありません。
そのうえで、既存製品を導入するのか、社員がAIの使い方を学ぶのか、個別にアプリを作るのかを選びます。全部を同時に進める必要はありません。毎週発生する一つの作業に絞ると、導入後の変化も確かめやすくなります。
経営者には予算と開始時期を、実務担当者には入力する情報と確認手順を聞きます。誰が使い、誰が最後に判断するかまで決めておくと、必要な研修の範囲も具体的になります。
見積もりは、対象経費と総支出を分けて読みます
確認したいのは、補助対象として申請する額と、会社から実際に支払う総額です。通常枠では、消費税や補助金申請・報告の申請代行費などは補助対象外です。見積書に載っている費用のすべてへ補助率を掛ける計算はできません。[4]
見積もりには、ツール名・プラン・人数・利用期間に加え、設定、研修、保守の内容を分けて記載してもらいましょう。比較する際は、導入後に毎年かかる費用や、担当者が交代したときの再研修も確認します。
補助対象の期間が終わったあとも、その費用で使い続けたいか。申請前にここまで考えると、安く入れられるという理由だけで、使わない機能まで増やさずに済みます。
相談前にそろえる情報は、この四つです
- 時間がかかっている仕事と、現在の手順
- 使う人数、入力する情報、最終確認をする担当者
- 候補の製品・研修と、費用の内訳が分かる見積もり
- 使い始めたい時期と、契約・支払いの有無
候補の製品が決まっていなくても、最初の二つから整理できます。反対に、見積もりがある場合は、機能と作業内容を確認したうえで、制度に合う経費を調べる方が進めやすくなります。
受付状況と交付決定予定日は、この記事冒頭の確認日付き情報と公式日程を照らし合わせてください。希望する開始時期と合う募集回かも確認します。[5]
発注時期も対象可否に関わります。契約を進める前に、見積・発注・資金の順番をまとめた記事も確認しておきましょう。
よくある質問
ChatGPTなどの生成AIを契約すれば対象になりますか?
サービス名やAI機能だけでは判断できません。申請する製品・プランのITツール登録、提供事業者、通常枠の業務プロセス要件などを確認します。
AI研修だけで通常枠を申請できますか?
通常枠は対象ソフトウェアの導入が必要です。独立した研修だけの申請と、登録ツールに対応する導入研修は分けて検討します。
自社専用アプリの開発費も対象ですか?
未完成でスクラッチ開発を伴う製品や、特定顧客専用で一般販売されていない製品などは登録対象外です。登録ソフトウェアに伴う設定等とは分けて、見積もりの内訳を確認してください。
出典・公式資料
制度の条件は公募回ごとに変わります。申請・契約前には、利用する公募回の要領を確認してください。
- デジタル化・AI導入補助金2026|通常枠確認日:2026-09-26
- デジタル化・AI導入補助金2026|ITツールの登録申請確認日:2026-09-26
- ITツール登録要領(2026年5月15日改訂)p.10–11、18–20確認日:2026-09-26
- デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領|補助対象経費確認日:2026-09-26
- デジタル化・AI導入補助金2026|事業スケジュール確認日:2026-09-26
AI導入・研修と、使える制度を整理する
改善したい仕事、候補のツール、費用、開始時期をお聞かせください。必要な支援と、制度上の確認点を整理します。
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